Norwegian Welted Boots

ノルウィージャンウェルテッド製法のブーツを製作いたしました。

ノルウィージャンウェルテッド製法というのは靴の下部、側面を縫う製法のことをいいます。
通常靴の内部を縫うのに対して、ノルウィージャンウェルテッド製法の場合外に縫い目が露出することになるので装飾的な意味を持たすためにチェーンステッチを施すことが多いです。

完成形の写真だけだと黒くてわかりにくいので製作途中のまだ糸が白い状態のものと比べていただくとよりわかりやすいと思います。

ヒールは少しくびれさせています。カーブヒール(?)って呼んだりすることもあると思います。
カーブさせずに真っすぐ下に落としてもそれはそれでかっこよくなると思いますが、今回はお客様のご要望により、ヒールが大きすぎると運転の時に邪魔になるとのことでこのような仕様にしております。

ボリュームのあるノルウィージャンウェルテッドに対してあえてヒールをくびれさせるディテールを入れるのもいいですね!

アッパーのデザインはかなりシンプルなパンチドキャップトウダービー。

靴紐による脱ぎ履きの手間を考え、一番上の靴紐の穴以外の上4つはカギホックにしました。

それと写真では写っていませんが、防水性という意味で袋ベロにしてあります。

この靴はお客様から総丈25cm以下(ギリギリまで高く)になるようにというご注文をいただいて製作しておりました。
(以下、何を言っているのかわからない方すみません!)

  • 木型時点でのヒールの高さが25mm
  • インソール5mm
  • アウトソール5mm
  • 中物(コルク)2mmほど
  • ハーフミッドソール3mm
  • ハーフラバー2mm

アッパー以外で42mmの高さが確定しています。(この靴を履くと裸足の状態と比べて42mm、4.2㎝身長が高くなります)
ということでアッパーで許された高さが250mm-42mm=208mm。
念のため208mmフルで使わずに205mmの設計で進めました。
結果的に250mmでギリギリ、オーダーいただいた通りに製作できました!